まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
??なんかいきなり、昨日なろうにおいて閲覧者が増えてる?なぜ?
時期的には世間では入学式シーズンとか、そのあたりの関係なのかな?ナゾだ…
評価してくださった方がいました。ありがとうございます。
って、一人の人の評価で最高点の五点!?・・・なぜに!?
・・・この客観的視点は自分でもまだまだ精進が足りない分野、と自覚してるんですが(汗
ともあれようやく戦乱?に入れそう…って、何話になるのかな?これ……
脳内ストーリー的にはこの戦いにつられるように、
幾度もでてきた「代替わり」が発生するんですけど……
ともあれ、今回もゆくのですv
・・・WGのほうはついに100K超えました…おかしいなぁ?
脳内的には短編、なんですけどねぇ。
…全部打ち込みおわったら、中編、としてあげてみます……
あとの二つの、集いと魂は最近ぱたっと打ち込み停止中。
…まあ、他にもいろいろと趣味さんでやっているほうも停止してるし…
とりあえず、これの打ち込みで気分上昇を狙ってはいます。
…年末からこのかた、気分がどうも鬱々になってしまって
ギャグ?展開ものが、ばたっと打ち込み気力なくなってるもので……
…回復するかも、という淡い期待をもったままで別れがくるのと、
突如として災害で別れがくるのと…どちらもつらいですけど、
少しは覚悟があったほうがまだ救い…なんでしょうね…
だけど心の中ではどうしても納得いかないものがありますが……
いまだに、ふとパソやってたら、海藤雄馬さんがメッセにはいってきたり、
メールがはいってるんじゃあ?と思ってしまう自分に少し凹み気味……
何しろ十年以上、毎日のようにパソで話してましたからね…(遠い目……
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「は……はははははっ!」
これぞまさに天命、そう、まさに。
会議の最中、突如としてどこかに連れていかれてそこできいたある話し。
自分達には関係ない、そうおもっていた。
しかし、しかしである。
「世界はすべて我が王国、ヴルドのものであるっ!」
『おおおおっ!!』
旅の商人、と称するものが謁見を申し出てきたときはほんの気まぐれで許可をだした。
しかし、商人がもっていたのは、『種』と彼らが呼ぶものと、そして
『これは種の発芽道具です。道具の使い手が望むとおり、種は成長し行動を起こします』
行動を起こす。
その意味がわかったときには、ほくそ笑んだ。
この時期に接触を試みてきた商人を名乗るもの。
その彼らが時の狭間と呼ばれる空間で話しにでていた組織のものだ、とすぐに理解した。
しかし、それがどうだ、というのだろう。
世界を統一するのにこれほど好機はない。
多々とある国の中、世界、否、この地上界を統治するのは我が国こそがふさわしい。
そう、ふさわしいのだ。
だからこそ、彼らも我が国に接触してきた。
「全てを我らが手に!」
『わ~~~!!!』
国民達もまた歓声をあげている。
この力さえあれば、地上界征服、さらには全ての世界の征服も夢ではない。
我が神、邪神ヴルトゥームよ。
あなたが全ての頂点に立たれる神となられる日も近い。
さあ…世界の粛清を開始しようではないかっ!
光と闇の楔 ~撒かれる闇と会議の結論~
「……父上の魂が使われている…とは……」
その怒りで何もかもが凍りつく。
その紡ぎだされた声と同時に履きだされた吹雪は瞬く間に周囲のモノをことごとく凍りつかせる。
「お兄様、それもお父様が作られた【神々の黄昏】をつかってるみたいなの。
ケルちゃんも手伝ってくれてるけど……
私自身、お父様の作品で複製されたものと、本物と、なんて。見分ける力もってないし……」
ビシ…ビシビシ……
地面すら凍りこおりついているそんな中、
目の前の巨大な真っ黒な犬の前にたたずんでいる一人の少女。
透き通るまでの白さをもつ半身と青白く透き通った半身をもち、
やわらかな髪質をもつ見た目十代そこそこ。
一見しただけでかなりの美少女の部類に入ることは間違いないほどの整った顔立ち。
しかしその少女の足元から氷の表面上にカビが発生し、氷だというのに瞬く間に朽ちてゆく。
これが氷でなければ、そこにあるものは全て腐敗し大地に還るハメになっていたのだが。
しかし、ここは氷の大地、ともよばれている地。
その点、そういった諸事情に関してはまったくもって問題ない。
「ヨルのやつには?」
「まだ連絡してない。それにあの子が動いたら、お母様にまで影響がでかねないもの」
そう、少女の兄であり、そして目の前の巨大な狼の弟である彼に知らせれば、
おのずとその体内にいる母にも影響がでてしまう。
あの優しい母のこと、いくら今は眠りについているとはいえ余計な心労を与えたくはない。
それでなくとも、いまだにかの心の傷が癒えずに眠っている母なのである。
彼らにとって何よりも大事なのは、両親に他ならない。
「…我も父上の器を守る役目がある。…が、手助けくらいはできるであろう。
…ヘル、無理はするでないぞ?お前に何かあったら我ら兄も、父上も母上も悲しむからな?」
何よりも大切な末っ子であり、大切な妹。
父と母より受け継いだその美貌。
しかし産まれいでたときよりその体は病に冒されていた。
体が腐食する、という病。
彼女がもちえる、聖と闇との力のバランスが保てずに起こりえた肉体のほころび。
特殊な誕生をした父である魂と、そして妻となった存在がうけついだ魂の本質。
それらの結晶、ともいえる娘に現れた能力。
混沌、といっても過言でないその力。
その力を使いこなすことができうるならば、彼女は時期『王』にすらなれるであろう。
それほどの力を抱擁していながら、ゆえに逆にその力に体である器が耐えられないのも事実。
こうして普通に過ごせているのも、【王】が彼女に特殊な道具を通じて加護をあたえているからに他ならない。
天界大戦争。
かの戦いにおいても彼女達、三兄弟はかなり尽力した。
ほぼ世界全てを巻き込み発生したその戦いは、王の裁断によりひとまず収束した。
そして、彼らの父はその魂と肉体である器を分けられ、
その怒りを鎮め、魂の穢れを払うために特殊な空間に保管されることとなった。
その特殊な空間の管理人となったのが、末っ子である娘のヘル。
その空間は冥界、と呼ばれ、魂が集う安息の氷の大地、ともいわれている。
そして肉体である器は長男であるフェンリルが守り、
母であるアングルホダは次男であるヨムンガルドが守ることで話しはついた。
ある存在達は彼らのことをこう呼び称す。
災厄の具現、災厄の三兄妹、と。
「父上の波動に一番敏感なのは我だ。我の分身ともいえる眷属をヘル、お前に預けよう。
本当にくれぐれも無理をするでないぞ?」
補佐官が手だしをしてこない、ということはおそらく自分達だけで解決できる問題、ということなのだろう。
基本、補佐官や王はどうにもならなく打つ手がなくなったときのみ行動を起こす。
その行動がない、ということは自分達で何かができる、ということに他ならない。
常に誰かに頼るわけにはいかない。
自分達の問題は自分達で解決して未来を紡ぐように。
これこそが、王が徹底してすべての存在に言い聞かせている言霊、ともいわれている。
事実おそらくその通りなのであろう。
だからこそ、命あるものたちはあがく。
その先にある未来をよりよくしてゆくために。
「あまり悩むな。ヘル。かわいい我が妹よ。我とそして冥界の番人ケルベロスがついておる。
【鼻】にかけてはこれ以上の協力はないぞ?」
おそらく、これ以上、鼻がきく存在は他にはあまりいないであろう。
特に、父親至上主義のフェンリルにとって父親の波動は微量でもすぐさま感じ取ることができる。
魂を複製しているにしろ、分けているにしろ、全ては父親の一部。
ならば誰にもわたすわけにはいかない。
それら全ては父親のものであり、また彼らの父がもつべき力、なのだから。
氷の大地、ともいわれているヴァルトニルの地。
その地の中の一角にあるリンクヴィ島。
そこにある巨大な氷の神殿の一角において兄と妹の会話がしばし繰り広げられてゆく……
とくん。
いつのころからここにいるのかわからない。
判っているのは、『記憶』のためにここにある、ということ。
この星の寿命がつきるとき、この【記憶】は【マァト】に引き渡されることになる。
いわば、万が一のための記憶の保管場所。
そのために創られた。
そしてまた……
「とりあえず、今のところある程度の種族、そして知識があるもの。
それらを取り込みしたので後はしばらく静観…か?」
見上げればどこまでもありそうな巨大な柱のようなもの。
その前にて何やら話しているいくつかの影。
「ヴルド王国に滅ぼされては面白くない存在達がいる場所もたしかあったな。
あそこの存在達も一時期取り込みしておいたほうがよくないか?」
取り込む制限、というものは決まっていない。
「いや、あまり数を増やしすぎても、ここ、深界とて増えすぎれば破たんしかねない」
それでも、いずれは界に溶けることを希望する存在も多々といる。
それらの魂はそのまま、冥界にと送られ、あらたな輪廻の輪の中にはいることとなる。
そしてまた、魂の個々がもつ力は星を活性化させる源ともなる。
「この地においては、海が母なる存在。ゆえに我らはここにある」
深界、と呼ばれるより海の底深くに存在している彼ら達。
再び生命が回復するまでの手段、として彼らの住まう界は創りだされた。
それでも、その真実を知りえないものは恐怖する。
【海】に呑みこまれてしまえば二度と戻ってはこれない、と。
すくなくとも、深界でいきていけるようにこの界においてはそれぞれに似合った姿にと変化する。
それが傍からみれば異形にしかみえなくても、この界においてはそれが通常。
ここにおいては、魂の輝きと本質に伴った姿にその姿形は変化するようになっている。
ここはいわば、魂と様々な種族の保管場所。
万が一、地上や他の界において何かがおこった場合、
それらの界に再び生命を戻すための緊急的な避難場所、ともいえる。
彼らのことを一部では、【深きものども】とも呼び称す。
一度【深界】に在籍していた存在達は特殊な能力を持ち合わせる。
しかし元々が魂が器となりえる空間に住んでいた存在達。
どの界においてもあっさりと各種族にと溶け込むことができる。
「ノーディンス殿はどうみられますかな?」
人類を主に見守る立場であり、彼らを選抜するときには彼を通じてきめることとなっている。
そんな真っ白い瞳にウェーブのかかった白い髪をした老人にと語りかけているのは、
見た目、巨大な蛸に似た頭部の頭に無数の触覚が生えており、
鋭い鉤爪をもち蝙蝠のような羽をはやしている存在。
「クトゥルフか。ウボ・サスラの抱擁力もあることであるからして。
今しばらくは、【意思】の動向を見守るのでよいのではないか?」
いいつつも、背後に聳え立つように存在している巨大な柱のほうにと視線をむける。
その真っ白いほどの瞳に巨大な柱の中にうごめく無数の球体のようなものがうつりこむ。
【意思】が新たなに様々な【理】と【生命】を生み出すにあたり、創りだした一つの存在。
それが【ウボ・サスラ】。
全ての命、否、生命体の源、という存在として創りだされ、また役目を終えた生命体の体もまた、
大地に還ったのちに、【ウボ・サラス】の中へと返還される。
かの存在の中において魂は新たに組み替えられ、新しい魂として生まれ変わる。
新たな魂を生み出す存在でありながら、魂のゆきつく終焉の存在でもある存在。
それが【ウボ・サラス】。
彼の端末は他に冥界に存在しており、基本の本体はここ、深界にと置かれている。
「六の意思様から言われてここにきてはいるが。とりあえず、六の意思様の伝達をのべておくぞい?」
この場には他の場所…つまりは、太陽系に位置している他の星から派遣してきている存在も数名いる。
そんなうちの一人が口を開く。
ずんぐりとした毛深いとある場所でナマケモノ、と呼ばれている動物のような体。
そしてまたヒキガエルともおもわしき顔には顔全体を裂かんばかりの口が存在し、
どてっと大きな腹とは対照的な小さな蝙蝠の翼を一対持ち合わせている存在。
「ノーシュ様からの伝達?しかし、貴殿がここにくるのは久方ぶりではないか?
ツァトゥグァ殿。以前はいつだったか……」
たしか、自分達のような存在達が多々と創られたとき以降のような気がしなくもない。
「ほほほ。まあそういうな。クトゥル。今は緊急事態、というのは貴殿も承知だろうて。
他の意思様がたからも警戒するように、とお達しがでていることでな」
彼が住まうのは、太陽系第六惑星、といわれている、通称、土星。
別名をサイクラノーシュ、ともうべき惑星。
そこの意思の指示により、ここ第三惑星にとやってきている彼、ツァトゥグァ。
外見をざっと表現するならば、巨大なカエルのような存在、というのがしっくりくる容姿の持ち主。
それはここにいる存在全てが十分に理解している。
だからこそ、動いているのだから。
「とにかく、今は、代替わりがいつ何時おこるかわからぬ。
ノーシュ様からも気をつけるように、とのお達しじゃ。
他の意思様方も気をつけてはいるらしいが、こればっかりはのぉ~」
そう、こればっかりはどうにもならない。
自分達が気をつけていても、所詮、自分達が生きている場所は、【マァト】の中の一部にすぎない。
ゆえに、巨大な流れに逆らえるはずもない。
「いずれ、意思様達が集まり、話しあいをされるそうじゃからの。
それから我らの行動を決めてもよいのではないか?」
実際、近いうちに全員があつまり、話しあいの場をもうける、と報告をうけている。
彼が選ばれたのには理由がある。
第六惑星において彼ほど深い知識をもっている存在は他においていない。
ゆえにこうして他の場所に使者としてよく使わされることがある。
「記憶の媒体となっているそこの存在も。全ては【意思様方】の思い一つ、というわけじゃ」
たしかに言われていることは間違いはない。
ないが、こうも面といわれていわれれば一瞬、何もいえなくなってしまう。
自分達は所詮、そのために生みだされているものなのだ、と嫌でも認識せざるを得ない事実。
「まあまあ。とにかく、それではこの会議の結論は、
意思様方の話しあいが終わってから、にいたすかの?」
どちらにしても、今ここで話しあっても全ての場所、
否、全ての太陽系内部においてどういう結論がでるかわからない。
ならば話しあいの結果を受けて行動したほうがはるかによい。
何しろ、かつて今から四億年前。
地上をも破滅にむかわせたかの人類の愚かさは、その力をもってして、
この太陽系そのものすらをも破滅の道にまで導きかけていた。
彼らの文明の知識も全てここにはおさめられている。
そして…それらを悪用されないよう管理するのもまた彼らの役目。
ツァトゥグァのいうことは至極もっともであり、同意を示しているノーデンスのいうことも一理ある。
「ふむ。…では、ひとまずこの会議は中断、話しあいは後日、ということで」
その場にいる全員を見渡し、クトゥル、と先ほど呼ばれたものが言葉を発する。
それをうけて全員が同意の旨を示す。
「では、我らはこれにて…」
刹那。
それまでそこに闇の中に漂うがごとくに存在していた幾多の存在達が瞬く間に周囲に溶け消える。
先ほどまでのにぎやかさが嘘であったかのように、
後には巨大な柱のみがその場にて見受けられてゆく……
「しかし、面白いまでに同時期に開催してるわね」
思わずぽつり、と本音を漏らす。
別に指示をしたわけではない。
にもかかわらず、混合会議に伴い、深界側でも同時刻、まったく同じように会議を行うとは。
ゆえに思わず笑みを漏らす。
「ディアさん?というか、どういう知り合いなの!?あの麗しき臨時教師とっ!」
何しろ相手がディアに対して至極丁寧な態度をとったのである。
それでなくても、麗しき年若い青年。
すぐさま関係に興味がわき話題に飛びつく生徒達。
ある意味、それは当然、といえば当然の結果。
彼が担当する【魔界学】は週に幾度もある授業ではなく、月に幾度、という頻度のモノ。
先日やってきた臨時教師の話題で今や学校中は持ちきり。
すでにファンクラブなるものまで作ろうとしている動きすらある。
その中で、彼が特別扱いしているとおもわしきものが二名いる、という情報は、
またたくまに生徒達の中をかけめぐった。
その噂の渦中にいる生徒の名前は、
総合科に所属している先の大会で偶然に戦闘部門の優勝を果たした生徒と、
そしてまた、別の界からの留学生、という生徒。
噂は噂をよび、やれ、アシュタルスの婚約者だの、妹だの、
中には上司と部下だの、とあるいみ本質をついている噂が飛び交っている今現在。
最近、殺伐とした暗い話題しかなかったところに、何か恋愛要素がからんでいるかもしれない、
というとっておきの話しの種が飛び込んできた、といって過言でない。
結果。
常に毎日のように質問攻めにあっているディアとヴリトラの姿は、
もはや学校の中であるいみ名物、となっている。
アスタロトがアシュタロス、と名乗って教師の仮面をかぶりやってきてはや十日。
今現在、こっそりと集まった主要な役職につく各界の存在達が
テミス王国の中にある聖殿の中の聖なる会議場にて話しあいを行っている今現在。
王都に住まう存在達はよもや今現在、
そんな会議が自分達の国の中で行われている、などとは夢にも思っていない。
毎日のように同じような質問をうけていれば、ほとんど聞き流すのも日常的となってしまう。
生徒達がヴリトラに同じように追求したところ、
「タロちゃんとはよく遊んでたの~」
にこやかにそう答えられてしまったのは記憶に新しい。
まだ産まれて間もなく自我も形成されていない状態でヴリトラに構われていたのは一人や二人ではない。
同時期にある程度の存在を一斉に創りだしたがゆえに、それらの面倒を一緒にヴリトラはみていた。
ゆえに、彼女の言い方も嘘ではない。
特にアスタロト達などと特定の存在達に関しては、負けず嫌い、という性格もともなって、
ヴリトラにひたすら向かってきていたことから、彼女としては彼らは嫌いではない。
むしろゆえにかなり好意をもっている。
もっとも、彼らが大きくなり、自分にあまりかまってくれなくなってしまい
少しすねている感もあるのだが。
よもや聞いた側も遊んだ、というのがアスタロト、否、アシュタロスと名乗った教師が幼きころのことだとは思わない。
どうみても、ヴリトラの見た目は七歳程度。
対するアシュタロスのほうは二十代前半から後半の間にしかみえない。
ヴリトラのほうがはるかに年上であるなど、いったい誰が想像できようか。
様々な場所で世界の今後にかかわる話しあいがなされている最中、
ギルド協会学校は至って平和そのものである……
「我らが【形なき反逆者】の悲願ももうすぐ達成される……」
長かった、とおもう。
なぜか代々の代表者はある程度勢力を伸ばしたのちにことごとく消されていた。
それも気づかないままに、いつのまにか。
一説には王や補佐官の制裁が下った、ともいわれているが、真実はいまだに闇の中。
かつて深界に取り込まれたことのある存在がそこから出てきて、
そして組織したのがこの【テケリ・ショゴス】。
そのときにどうやったのかはしらないが、
深界よりそこで【ウボ・サスラ】と呼ばれていた存在の一部を持ち出した。
それを元にして自分達の仲間を創りだしたのが全ての始まり、そう組織の成り立ちは教えられている。
そしてまた、代々の代表者はその細胞を受け継いでいる、とも。
天界の反組織のほうは、何でも【ホテップ】という存在の細胞を受け継いでいる、ともきく。
多くの多面性をもつ神の力をもち、深界より持ち出された細胞によって創られたもの。
全てを混沌に還そう、という思想をもっているらしく、そのあたりの考えが彼らとは異なっている。
「【ハスター・ホテップ】の協力はありがたいが…
しかし、世界全てを無に還したのでは我らの意味がなくなる……」
望むのは全ての支配。
だからこそ、かの国の王に力を貸した。
欲にまみれた【知性ある存在】の王ほど扱いやすいものはない。
「今はまず、様々な場所に混乱、という【種】をばらまくのが先決、だな」
まだまだいくらでも【欠片】ともいえる【種】は作り出せる。
神々の黄昏があり、元とある魂がこちらの手にある以上、いくらでも増産は可能。
魂が見つかる可能性がありはすれども、それに関してはぬかりはない。
テケリ・ショゴスに伝わる秘伝の技を使えばこの地に生きている存在の力を外部に漏らさないようにできる。
それもまた、【ウボ・サスラ】とよばれし存在の細胞による力だ、と認識されている。
実際にそう、なのであろう。
詳しいことは彼にもわからない。
しかし、それを扱うことにより、確実に、どんな神や魔王、そして精霊達にすら気づかれることはなくなる。
「全ての世界は我らの手に……」
力あるものが支配する世界。
それが道理。
自分達にはそれだけの力は確実にある。
この力をもってすれば、【王】とて倒せるに違いない。
しかし、彼はいまだに気づいていない。
その考えは赤ん坊がぐずり泣きわめいているようなもの以下である、ということを。
この地に生きている以上、全ては【王】の意思の元、過ごしている、というその事実に。
どうあがこうが、全ては【意思】の手の中で踊っているに過ぎない。
広大な大地ですこしばかり小さな粒子が反抗してもまったくもって意味がない、ということに。
「我がユグルの民のほうはいまだに【欠片】による混乱は起こりえておりません。
そもそも、不審な波動を放つものはすぐさまにわかりますゆえな」
会議に参加している一つの国。
聖都、または聖地、ともよばれているユグル大陸。
その大陸より代表としてやってきているのは、
大陸の長たるユピテルの補佐を務めているマキア、と呼ばれし存在。
様々な界の代表者による現状報告。
その後に静かに口を開く、ユグルの民の代表であるマキア。
緑の髪に緑の瞳のその女性は肌の色もまた緑色。
かの民の始祖は基本、植物達が主体となる。
ゆえにどうしても植物等の特徴が体面上にも表れてくる。
常に自然と共に生活しているがゆえに、異質なものにはすぐさまに反応する。
だからこそ、聖地、とまでいわれており、穢れも何もかの地では寄せ付けない。
基本、植物は全てのモノを浄化する力をもちえる。
種類によってはかつては還元不可能、とまでいわれていた物資をも浄化する力をもつ。
それはかつての出来事を教訓に【意思】が創りだした新たな種。
「ユグルの地は確かにそう、でしょうね」
その地の重要性をしっているがゆえに、しみじみうなづくシアン。
ちなみに邪な考えを抱くものもかの地はうけつけない。
否、入ることさえ許されていない。
ユグルの地を覆う特殊な結界がそういった輩を瞬く間にと排除する。
「とりあえず、では話しをまとめますが。
それぞれの国に各界の使者が滞在し、【欠片】と【反逆者】の指導にあたる。
ということで話しをまとめてよろしいですかな?」
長きにわたる話しあい。
様々な意見を出し合い、結果として、そういった話しにと落ち着いた。
表向きに何か危険なことがありますから指導にきました、というのでは何もしらない民に不安を抱かせる。
しかし、他界からの使者、となれば少し話しは変わってくる。
ときおり、世界の情勢を直接調べるため、という名目で他界より使者が訪問するのはよくあること。
その恒例行事ともなっているその【派遣】をうまく利用してこのたびの一件を見守ろう。
そう話しが先ほどどうにかこうにかまとまった。
「それと、あと気にしなくてはならないのが、フェンリル殿の分身とヘル殿の動向です。
彼らははっきりいって、父親以外はどうでもいい、という傾向にありますから。
万が一、欠片を手にしている存在がそれの受け渡しを拒んだ場合…おそろいことになりかねません」
【欠片】がどのような形をしているかそれは手にした者の心一つであるがゆえにわからない。
しかし、それの受け渡しを彼女達に拒んだ場合…どのような悲劇が待ち構えているか。
それは想像しなくてもめにみえている。
フェンリルの怒りは全てを氷と化し、ヘルの嘆きは全てを腐食させるのに十分すぎる。
その能力は地上界といわず全ての界において共通事項。
彼らはその本能から、おそらく欠片の近くまでたどり着くことが可能。
協力して探し出す…という手もつかえなくはないかもしれないが、
が、しかし、彼らは基本、補佐官以外にははっきりいって心を開かない。
そもそも、どうしてかつて、両親をたすけてくれなかったのか。
と逆に全ての者を憎みすらしている。
実際、何もできなかったのは事実なのでそれをいわれればどうしようもないのも事実。
今まで欠片の行方と、それにたいする始末。
そしてまた、反組織のみに目をむけていた者達はシアンの言葉をきき、思わずその場にて口をつぐむ。
ロキの魂が持ち出されている以上、かの三兄妹達が動かないはずはない。
しかし、それを失念していたのも…また、事実。
「…では、これより。その兼に関しての話しあいに移るとしましょう……」
誰ともなく意見がで、しばしの間、
災厄の三兄妹達に関する話しあいが混合会議の中において見受けられてゆく……
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あとがきもどき:
薫:今回は、主に北欧神話とクトゥル神話さんの内容がもりだくさん?のような気が……
ちなみに、深界にいる存在達はほとんど、クトゥルさん、とおもっていただき間違いないです。
次回からようやくまともに学園生活編(?)
巻き込まれてゆく生徒達の情景、上手にうまくオブラートに表現しきれるかな?
ともあれ、ではまた次回にて♪
2011年4月10日(日)某日
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